奈良観光は、足が重要

実際に何度か奈良に足を運んだ方ならご存知だと思うが、奈良観光は京都観光とは全く異なるので注意が必要だ。
テレビドラマや、旅行番組などで紹介される奈良は、はっきり言えば、編集が無茶苦茶この上ない。
おそらくそれは、どの都道府県での番組制作でも同じだとは思うが。
例えば、奈良公園と若草山頂と、法隆寺と室生と飛鳥が、1時間番組で紹介されてしまう。これはまさに最悪のパターンである。
実際奈良公園までは、およ30分程度でたどり着くのだが(汗をかかない程度の速度で歩いて)、ではそれから若草山に登ろうとすれば、麓から足で登るか(季節に寄っては入山不可)春日奥山ドライブウェー(もちろん有料道)の選択があるが、(まあ健脚なら、別ルートをハイキングという手もないではないが)まあ普通はどんなに急いでも小一時間かけないと、山頂にはたてない。

で、次に法隆寺へ足を伸ばそうとすると、奈良市内から平日でもやはり片道1時間程度は見ておきたい。実際に言って境内を散策して、奈良市内に戻ろうとすれば更に1時間が必要になる。
では、法隆寺から飛鳥方面に移動しようとすれば、これまた大変な作業となる。JRで、郡山まで行って、近鉄電車に乗り換えて、大和八木からからバスで飛鳥方面へ行くことになる。しかしこれも連絡がうまくつけば移動にはおよそ1時間程度で可能だろうが、実際にスケジュールを作ってみると、こんなふうになる。

現実的なスケジュール表

時間  場所  内容  備考
 10:00  奈良公園  散策 できれば東大寺もみたい。
興福寺も見たい。
スピード餅つきも見たいけどなあ
 11:00  移動開始  直に登ると、汗だく
 12:00  若草山頂  景観を楽しむ  奈良市内を見渡せばほぼ終了。
テレビで見るほど鹿いなかった。
食事はいつするねん
この時期般若寺も見たいし、柳生も見たい
 13:00  下山中  ドライブウェーだと原生林の中走る
 14:00  移動中  JR奈良から法隆寺  少し田園風景をみて。
大和郡山で、金魚すくいして、電話BOXの金魚
見たかったけど。
 15:00  法隆寺  境内散策  ほぼ1時間。休憩でまったりしていると
次に間に合わない。
 16:00  移動中  中宮寺も近所にあるし、竜田川で一句読みたかった
 17:00  大和八木
→飛鳥
 バスで移動
石舞台周辺
 冬場は薄暗く寒いのでなにも出来ない
鬼の俎も、鬼の雪隠もそれなりに距離がある。
土産物屋も店じまいの時間
 18:00  移動中  暗くて周囲が見えない。
 19:00  大和八木  移動  この時点で移動断念か?夕食したいけど。
 20:00  室口大野  女人高野  既に閉門真っ暗で、怖い。行ってもなにも出来ないし
 21:00  奈良市内
または大阪
 電車移動  特に観光はない

だから多くの人が、奈良公園周辺で観光を終えてしまうのである。そういう意味では観光番組やドラマは積みつくりだ。
奈良は京都のような箱庭みたいな都市ではない。
色々見ようとすると、それなりに時間がかかるのだ。
だから私のような地元民は、観光番組のようなスケジュールどりをしない。でも他府県の友人が、上記のような場所をと、どうしてもクエストが有れば、もう自動車に頼らざるを得なくなる。(実際に、春や秋の観光ピークでは、自動車でもこのような観光コースは難しい)。
そこでお薦めなのは、奈良県内での連泊観光と、自動車移動というわけだ。詳しくは次に譲るが、奈良を日帰りですまそうという根性が、そもそも問題なのだ。

 

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